今日もどこかの小区で@上海

上海での日常を綴っています。日本での日常生活とは少し違った、でも実はあまり変わらない人間味溢れる上海生活をご紹介します

日本語習得への道のり

娘は日本語を話さない。


そりゃあ、この環境じゃあ日本語を話せる可能性は低いだろうなぁ、とも思うが、ちょっと残念だ。


中国在住、父親は中国人、唯一日本語を話す母親は仕事で夜遅く帰宅、テレビも中国語、近所も中国語、毎日PCR検査を促すアナウンスも中国語。


それでも、何とか簡単な日本語は聞き取れるようで、
「今日誰と遊んだの?」とか「楽しかった?」と聞くと、きちんと答えてくれる。



一説では、小さいころからバイリンガルにさせると、子供のアイデンティティに影響が出たり、結局どちらの言語も不完全のまま大人になってしまう可能性もあるようで、幼いうちは無理に教え込まなくても良いという意見もあるようだ。


この間は、どこで覚えたのか、いきなり、


「首先(ショーシエン)、・・・・」
 * 日本語で、「まず」という意味


という単語を使い話し始めてびっくりした。


自分の中国語レベルを、既に超えられてしまったようだ。


日本にいる頃は、私も会社帰りに語学学校に通ったりして頑張っていたのだが、こんなにもあっさりと追い越されてしまうのかと思うと、ちょっとショックでもある。


「ママ、ゴウライ!」


*「ゴウライ」は、日本語で「こっち来て」


娘によく言われる言葉だ。



「なあに?」と日本語で答えても、娘から出てくる言葉は全て中国語。


「ウルトラマン」の発音も、こっちの発音で「オットマン」になっている。



「トントントン!!!」


娘が叫んでいる。 


*「トン」は日本語で「痛い」


どこかに足をぶつけた様で、本当に痛そうな顔をしている。


私が娘の足を擦って、「痛いの痛いのとんでけ~!」とフーフーしてあげる。


ある時、娘が走って私の元に突っ込んで来たことがあった。


ちょうどお腹を蹴られ、私も本当に痛そうな顔をせざるを得なかった。


申し訳ないと思ったのか、娘が私のお腹をさすりながら、こうお呪いを唱え始めた。


「いたい いたい げんき~!」


やはり日本語習得への道は、ほど遠そうである。

ロックダウンの意外な功績

ロックダウンが開始されてから、早1か月が経とうとしている。


甘いものが大好きで、会社帰りに近くのスーパーでケーキやら菓子パンを漁るのが日々の楽しみの1つだったが、最近はこのような食品が手に入らないため、自分の食生活がガラッと変わってしまった。


なんと、「変わってしまった」、と思っていたが、最近は「変わって大変感謝している」、に変化してきている。


このロックダウンで1か月近く小区に監禁されている、という状況を利用して、
「グルテンフリー」「ガゼインフリー」の挑戦を始めたのだ。


ついでに、「シュガーフリー」にも挑戦している。


朝食は、毎朝夫がデリバリーサービスを利用して調達してくれている、りんごやマンゴー。


まだまだお腹が空いている場合は、ゆで卵2個に塩を振るだけ。


お昼と夜は、夫が作る中華料理。主食はお米。



始めてからまだ1週間も経っていないが、明らかにお肌が綺麗になったように見える。
ボツボツがなく、ツルっとしてきたのだ。


日頃、週末にヨガスタジオに通ったり、出勤時になるべく歩くように意識はしていたが、ロックダウンになってから、家では特に何も運動をしていない。


ヨガはなぜかスタジオで強制的に自分を追い込めば集中できるのだが、家ではレイジーで全くやる気が出ないのだ。


それでも、お肌の調子がよく、お腹のお肉がみるみる取れてきて、20代前半の身体になれるのではないか、とちょっと期待している。(笑)


あとは、食後のちょっとした怠さも特にないように感じる。


ロックダウン前までは、一番好きな食べ物はと聞かれて、いつも「生クリーム」と答えていたのがまるで嘘のようだ。



このような生活を続けると、頭が冴えて仕事が捗りお給料もアップ!というような話も聞いたことがあるようなないようなだが、人体実験ということで、続けれるだけ続けてみようと思う。

思わぬ戦利品

朝からシトシトと雨が降り続いている。


近所のスーパーが食品のデリバリーを始めたらしく、そのオーダーが毎朝8時に始まるのだが、開始早々すぐに売りてしまうらしい。
いつもは夫がオーダーしているのだが、今日は私も携帯で、そのスーパーのアプリを立ち上げ、オーダーの準備をしていた。


娘が起きてきたので、オレンジを剝いてあげたりして気づいたら8:03になってしまっていた。


慌ててアプリを立ち上げ、商品を選んでいく。


商品と言っても、生鮮野菜、お米、油、と言った本当に質素な生活必需品と、少しのチョコレートなどの嗜好品だけである。


家には野菜や肉、油などの必需品は足りていて、ちょっと口寂しくなってきたので、「ワンタン」や「小籠包」などの嗜好品を選んだ。


商品を選んでいるうちに、売り切れになることも多く、私も例に漏れず選択した商品のほとんどが、何とかレジの画面に辿り着いた途端に売り切れマークとなってしまうことが何度か続いたが、何とか、「ワンタン」3種類と「ドリアン」のフリーズドライを1袋ゲットできた。



午前中は、昨日までに片づけられなかった仕事をいくつか終わらせたのだが、色々あった怒涛の1週間だったため、ベッドで横になりながらぼーっとしていた。


娘はテレビで、中国でも人気のある、「ウルトラマン」を観ていた。
夫が「ウルトラマン」の映画をダウンロードしてくれたのだが、その映画がなぜか80年代に日本で放映されたであろう、かなりレトロな「ウルトラマン」だった。
アナログ時代の画像なので、粒子が粗く、かなりぼやけて見える。


午後になると、朝オーダーした食料が配達されてきた。
間違えて、配達先の住所を、この小区の隣の小区の住所にしてしまい、そちらに届いてしまったのだが、すぐにデリバリーの運転手に電話すると、うちの小区まで持ってきてくれた。


「ドリアン」のフリーズドライは、娘の気に入り、すぐに無くなってしまった。
普段なら、「ドリアン」のフリーズドライを買うことはないだろう一品だが、急いで買い物をしていたので、中身も分からず購入したものだった。でも、砂糖不使用なら子供にも害がないので、今後も継続して買っていこうと思った。


夕方になると、夫が、
「また配達の通知が来たぞ。他には何も配達が届く覚えはないんだが・・・」
と言いながら配達物を取りに行くため、下へ降りて行った。


しばらくして、ぜえぜえ言いながら戻ってくると、お菓子やジュースなどが満杯に入った大きな段ボール箱を運んできて、玄関に ドスンッ と置いた。


「もう1箱あるから取ってくる」
そう言うと、またすぐに下へ降りて行ってしまった。


こんなに大量の食品、しかも嗜好品だらけのぜいたく品を、自治体が配布してくれるなんて、一体どうしたんだろうか。
ひょっとして、ロックダウンがこれからまだまだ続く、という意味なのだろうか・・・と考えていると、
「ちえっ!」と言いながら、2箱目をまたまた ドスンッ と置きながら夫が戻ってきた。
「箱にはちゃんと605号室と書いてあるけど、402号室のだったよー」
と、とても残念そうに言った。
どうやら、誰かが、誤ってうちの部屋番号を記入してしまった様だ。


仕方なしに、夫がこの思い段ボール箱を担いで、402号室まで運びに行った。
うちの小区にはエレベーターがないので、全て階段移動なのだ。


戻ってきた夫が、ちょっと嬉しそうだった。
「どうしたの?」と聞いたら、「402号室のアイが、段ボール箱を運んでもらい申し訳ないと、これをくれたんだよ~」


手にはなんと、今一番必要な、「薄力粉」(しかも2kg)を持っていた。


「アイはお菓子屋らジュースやらをくれようとしたんだけど、いいよ~と言いながら断ってたら、薄力粉が出てきて、『じゃあこれ』、と貰って来たんだよ~」


謙虚なのか要領が良いのか知らないが、ベストな食材を貰ってきてくれた夫の性格に、久しぶりに感心した。


これでしばらく朝食に思う存分パンやパウンドケーキが食べられる。


これから来る時代の変化に備えるのは、やはりこういうサバイバル能力だな、と改めて実感した一日の終わりだった。