今日もどこかの小区で@上海

上海での日常を綴っています。日本での日常生活とは少し違った、でも実はあまり変わらない人間味溢れる上海生活をご紹介します

新たな発見

ここ最近、将来のことを考えて弱気になってしまう。
広州から上海に引っ越してきてまだ1年が経っていないが、子供のことを考えるとこのまま上海に居ていいのだろうかと考える。


「ニイハオ~」
PCR検査のために広場へ行くと、301号室のアイが、先に下に降りて行った夫と娘と共に雑談をしていた。
「アイも函館に行く計画をしていたんだって」夫が私に言った。


コロナになる前に、来年の桜は函館で観ようと計画をし、すでに日本行きのチケットと、日本に居る私の両親と一緒に泊まるホテルも予約済だったが、ちょうどその桜の頃にコロナが厳しくなってしまった日本へは、流石に行ける状況ではなくなってしまった。


幸いにも、予約していた航空券とホテルは全て無料でキャンセルができたが、それ以来、未だに日本へは帰国できていない。


「わたしはむかしにほんのかいしゃではたらいていました」


アイがいきなり日本語を話し出した。
聞くと、有名な日本のスポーツメーカーに勤めていたらしい。
流石上海、4万人もの日本人が住んでいるのも納得で、この小区の私の住んでいる棟だけでも、私含めて3人が日本語を話せることになる。
ひょっとしたらまだまだ出てくるのではないか、思えてくる。
アイは今も日系ではないが、同じくアパレル系の貿易会社に勤めているらしく、今回の上海のロックダウンによる出荷が滞っていて大変だという話を、お互い日本語と中国語を交えて話した。


PCR検査を終えて戻ろうとしたときに、後ろから104号室のナイナイが
「ヨーヨーがいるよ!」と大声で叫んだ
見渡すと、娘の親友のヨーヨーが、お父さんとおばあちゃんと一緒に広場付近で立っていた。


娘は「ヨーヨー!」と嬉しそうに叫び、駆け寄っていった。
また監視員に何か注意されるのではないかと冷や冷やしたが、もう監視の目は大分緩くなっているらしく、特に何も言われなった。


「バオバオ」
 *バオバオは日本語で「抱っこ」


ヨーヨーのおばあちゃんが言った。
親友同士の2人は久しぶりの再会で少し戸惑いながらも、バオバオやウォーショウをしてお互いを懐かしんだ。
*ウォーショウは日本語で「握手」


ただ、あまり長居をすると注意をされるかもしれないと思い、1分ほどで立ち去った。


棟の前では、いつも通り住民たちが日向ぼっこ兼交流会をしていたが、私は301号室のアイを見かけると一足お先に、「仕事~(泣)」と日本語で伝えて家に戻った。


6階までの階段を登っていると、下からお隣さんのシュアイグも登ってきた。
家の入口で一緒になり、彼にWIFIを借りているので何か手助けができないかと思い、
「食料は足りてるの?」と聞いてみた。
「1人だから、配給の食料で十分だよ」と答えた。
「料理は作れるの?」
「ホイ」
*ホイは日本語で「出来る」という意味


時々将来を考えて不安になることもあるが、やはり上海、いや、この小区暮らしは癖になるかも知れないと予想している。