今日もどこかの小区で@上海

上海での日常を綴っています。日本での日常生活とは少し違った、でも実はあまり変わらない人間味溢れる上海生活をご紹介します

お隣のシュアイグ

また月曜が始まった


仕事が忙しくて、曜日感覚がなくなっている上にロックダウンにより在宅勤務となると
曜日感覚が余計におかしくなってきた
ロックダウン中の朝のルーティーンは、チビチビ大切に使っているバターを溶かし、砂糖、卵、薄力粉を混ぜ合わせて作るクッキーとパウンドケーキの中間のような朝食作りだ。


もう何か月も前のことだが、「薄力粉を買ってきて」、と夫に頼んだら、なぜか5KGもの重さの薄力粉を買ってきて、なんでこんな重いサイズを買ってきた、普通は1kgぐらいだろうと思いながら、いつ使いきれるのかと悩みながら消費していった粉だけど、ロックダウンでパンやケーキが入手できなくなった今となっては、貴重な存在となっていた。
しかし、もうその薄力粉も底をついてきてしまっている


在宅勤務が何日も続いている今、自宅にWIFIを引いていなかったため、携帯のデータ容量が足りなくなる問題が出てきてしまった。
しかも携帯のテザリングでのデータ読み込みは非常に時間がかかるため、仕事に支障をきたす。
今からWIFIを引くにも作業員が小区に来れないし、うちもいつ引っ越しをするか分からないので1年契約のWIFIを引きたくないのだった。


「やっぱりうちもWIFIを引かないと不便だよ」と夫に相談した
「いつ引っ越すかもわからないのにWIFIは要らないよ。在宅勤務ももうすぐ終わるだろうから、また必要なくなるじゃないか」
そういわれたが、やはり不便な生活がとてもいやだと不満をこぼした。


すると夫が、「じゃあ、お隣さんに貸してもらおう」


「は?」と意味が分からなくなった
「お隣のWIFIを1か月間借りればいいんだよ。お隣には1か月分のWIFI代を渡すから」
そんな手を思いつくとは、カルチャーショックとはこういうことのようだ。


早速夫はお隣の604号室のお兄ちゃん(多分30歳前後の好青年)のドアをノックし、「シュアイグ、シュアイグ」と大声で叫び始めた
*シュアイグ=青年男性への呼び方。日本語だと、「お兄さん」だろうか。


シュアイグへWIFIの1か月のシェアをお願いすると、あっさり承諾してもらえた様だった。しかも1か月間のWIFI代も要らないとのこと。
ちなみに私はこういうお願い事はちょっと恥ずかしくて、家の中で聞き耳を立てることしか出来なかった。


実はこちらのシュアイグには、以前実家から送られてきたというサクランボをいただいたことがある。
夫がよくシュアイグの宅配便を、ちょうどお隣さんで別に大した労力も要らないので、彼のドアの前まで置いてあげたりしているので、そのお礼だと言うことだった



「シェイシェイ!」と大声で言いながら、夫が帰ってきた。
早速WIFIのパスワードをパソコンに打ち込むと、以前より格段の速さでデータが読み込まれていく。
1円もお金をかけずに難問を解決してしまう夫、というか中国人には、なんてサバイバル能力が高いんだと感心することがたまにある。


午後、またPCR検査のために、小区の広場まで歩いて行った。


301号室の女性(アイと呼んでいる)に会い、娘に「サンサン、何私のこと見てるの?」とまたハキハキと話しかけてくれた。
*アイは日本語ではおばさん


娘はやはり恥ずかしいのか何も言わずにうつむいたまま立ち去った。
104号室のナイナイにも話しかけられ、小さい声で「ナイナイハオ!」とあいさつをして、部屋に戻った。


「シュアイグに何時に起きて何時に寝るか聞いたら、朝6時に起きて夜11時に寝るらしいよ」と夫が言った。
何でそんなことをお隣さんに聞くんだろうと思っていると、


「ちょうどいい。夜11時過ぎたら映画をダウンロードしよう」


一応、お隣さんに回線が遅くなることの迷惑を掛けないように、との配慮なんだろうが、起床と就寝時間をいきなり聞かれたシュアイグもびっくりだろうよ・・・



ロックダウンが終わって通勤生活が始まったら、シュアイグには何かお礼をしなきゃな。
でも、30歳前後の青年にはどんなお礼をすれば良いのか、まったく見当が付かないでいる